散文の会
2と88のワルツ
僕の声が少し上ずって、必死に伝えようと組んだ手が動き出す。 分母が最大になる時、その影は限りなく小さくなって。 2つの組んだ手が次第に引き放たれていく。 僕は約束をしたわけではない。 しかし約束は僕を許してはくれない。 自然体がその組織に逆らうように幽体が僕を 途方もなく遠い世界に連れて行く。 諸国の砂漠をさ迷いながら。 花は今何を思うのだろうか。 引きちぎられるのが約束なら 離した手は永遠に宙を探し上に伸びていくことになるだろう。
思いやりと乗り移るという事
どうしようもなくおかしかった、右と左の理解が逆だ。 パソコンが使うんじゃなくて、僕がパソコンを使っているんだった。 相手かみて右、相手にとって左。 意識的に言葉が固有というものを乗り越えた瞬間だった。 差別や軽蔑、そして嘘から罪へ。 虚構にみちた世界は今日も思いやりのない発言を繰り返す。 血のかよった親近感と 愛情の眼差しを保ちながら。
360から5と1/4
確証が必要だから、あの時のかじかんだ手がちょうど一回りした僕の記憶のどこかに響いた。 震えそうなくらい寒くて、道は灯りを消しながら歩いている。 逃げ出せそうもないくらい狭く細い道を車が壁との距離を保ちながら走っていく。 ロックボルトが5回転すると 転入したその部品がぴったりと機体にはまり。 地球はまた一回りする。 未来の確証もないままに。