Subeatleoの自作ルーム

連載小説 静まりし二つの羽根 第1話

 

別れた四つの世界

遥か太古の昔
世界は四つの世界に分かれていた。
絶対神、唯、全治神、ゼラルド、逆転神、
サルーインそして、能の神、デュオである。
世界は度重なる大戦の末
サルーインは瞳のもとへ眠り
デュオは片目を失い一眼のみを残し
世界樹のもとで世界を分かち
唯は細々とその種族を残すのみとなっていた。
そして世界樹はいつしか大きな河で全の世界と
能の世界を分かち二元世界が繰り広げられていた。
「ルビー、瞳の回廊」
ここは試練の回廊、大地の奥深く。
封印された、サルーインの魂が
今、蘇ろうとしている。
点々と回廊につながる走馬灯には灯りがともっていない。
再びその心の炎は全治神
ゼラルドが世界を一つにし
滅びの道を行くときともされるであろう。
学校図書館
イエムが本をめくっている
太古の戦火の歴史
「王、サルーインはその心をルビーに宿し
瞳の元へ眠る。」

*星を拾いに行く。*
イエムは学校の外に出た。
道端で一人の少年がずっと空を見ている。
イエムは問いかけた。
「こんなところにいると車にひかれちゃうぞ」
少年は納得したのかその場を去った。
イエムは家に帰り母が
畑からとってきたさやえんどうの節を採る作業を手伝った。
「今夜はクリームシチューにしようね。」
母親は優しくイエムに語り掛けた。
さやえんどうの節をゆっくりそいでいくイエム。
そしていつのまにか夕食も終わり
イエムは近くの畑を抜け町から
少し外れた民家の裏屋のあたりを
ぶらぶら歩くと少し立ち止まった。
昼間の少年が夜の裏町でずっと空を見上げている。
空には星が一つ二つならび
大きな星、レグルスがその輝きを増していた。
イエムは少年に問いかけた。
「おい、こんなところにいつまでいちゃ風邪を引くぞ~」
少年は言った。
「お父さんが星にグラブを拾いに
行くって旅立ったきりもどってこないの。」
イエムは言った。
「グラブってあの野球のか?」
「そうさ、お父さんは僕が野球をしたい
って言ったらそうかじゃあ~
グラブを拾いに行ってやると言って出たきり戻らないの。
イエムは聞いた。
「じゃ~僕もあの大きな星に思い切り願いを込めて
一緒に祈ろう、君のお父さんの帰りを」
Sarah,so,sad but hope was a little in the byte sky
イエムは星に必死に祈りを込めた。

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