第1話 目覚め
遥か太古の昔、神々は3つに別れていた。
一つは全治神、ゼラルド。
もう一つは絶対神、唯。
そして能の仏神、デュオである。
その中からそのどこにも属さない神、逆転神、サルーインが生まれた。
世界は度重なる戦禍をこし、ゼラルドの世界統一は目前に迫っていた。
だがレクとイエムの活躍により
バラバラになったサルーインは復活し
新たに時間を司るタイムマシーン、セキトが誕生した。
いわば時の神である。
レクとイエムはセキトを使い時限ワープで世界を修復し
再び世界に混沌は訪れた。
そしてその過程のセキトのブリッジから黄泉の扉がひらき
新たな闇の神、ハイドが出現した。
そして今、イエムがセキトの中で目を覚ました。
イエムは暗闇の中で目を覚ました。
時限が拡散している。
そうタイムワープの出現により、黄泉の世界は目覚め、時の流れが
分散しだしたのである。
イエムの元にサルーインの声がこだました。
イエム、世界は再び、拮抗を始めた。
私はしばらく眠りに付く事にする。
といいのこしサルーインはルビーの回廊の元へ消えて行った。
ここ、ハイドの城、ダンスザサークル
ハイドはどなり声を上げた。
モーザリド、ゼラルドの軍勢はどこまで来ている。
はぁ今、偵察に行って参ります。
その頃、ゼラルド軍6万はダンスザサークルの一歩手前の山岳地帯
アーカンスの険岳付近に駐留していた。
ハイドの指揮官、モーザリドはため息をついた。
アーカンスの山までやつめたどり着いたか。
アーカンスの山は起伏の激しい絶壁の山である。
そのシェルフ状の道は2つある。
一つは滅びの道。
そしてもう一つは祝福の道。闇の指揮官、ハイドはすべての人に闇はあり、闇から
明日は生まれる。
つまり、人間誰しも滅びは迎えるのであるからその後の我々こそ
覇を唱えるのに相応しいという事を確信している。
つまり闇をこした後の再生にこそ明日はあると確信しているし誰しもが
一旦、条件的な意味での死を受け入れねばならない。
そんなハイドに対し、ゼラルドは聖者こそこれを葬らねばならぬとし
ハイドへの通行路を遮断し、ある日、突如宣戦布告した。
聖者は死者に屈してはならない。
死になぞ明日はないという論法である。
そして抗戦状態が始まった。
ハイドの軍はわずかに1万2千である。
ゼラルド兵6万の行軍は続く。
そして仏神、デュオはその境界を今、タイムマシーンで危うくされていた。
時と時の逆流が起これば、
再び、我々は2つの未来をつくるという過ちを犯す事になる。
そしてそれを貫けば
デュオの結界は打ち消されてしまう。
そして2つに別れた身体のどちらかは滅ぶ。
つまり今の時間を生きるどちらかのデュオは突発的な大災害によって
あるいは突如消されてしまうという事である。
それは長きに渡りかかえてきた時間的な矛盾、足取りの矛盾にも
似ている。
銀の白い浄化神かキリクの神か。
イエムは思った、もう一度、デュオの眠る山へ行ってこなきゃ。
イエムは旅たった。
どちらのデュオにも理がある、存在意義がある。
消滅、すなわち世界の崩壊なのである。
イエムは眠りの森の中腹にそしてたどり着いた。
どこからか祭り囃子の笛の音が聴こえる。
30センチほどある分厚い石段を足の力、いっぱいに力をいれてイエムは登る。
全身が熱くなって、汗が噴き出してくる。
2月の冷たい空気が突き刺さる。
もしも二人が同時に生きられないとするならセキトかデュオのどちらかを僕が
この手で破壊しなければならない。
時の力を一旦、秘め、時の神となったセキトを崩せば
時限結界は永久的に保たれるだろう。
だが、時が動き出せばその結界は消えどちらかの世界は消える。
つまりデュオの銀の神は時を逆流する事によりその世界を
作り出しているのである。
そこにタイムワープが加わる事によって矛盾がうまれ
時は崩壊する。
が時の神自体が、セキトとするならその力によって
時は正方向に流れだし、世界は恒久的に持続するだろう。
イエムはもう一段、石段を上がる。
デュオのパワーユニットである山王の力を足してやんなきゃ。
急がないと。
イエムは階段を登っていく。
その頃、ゼラルド軍はいよいよ、滅びの道の橋、ザカエブリッジにたどり着いた。
ゼラルドは天を指した。
「神よ、神命に誓い、闇を今日こそ断つ。」
我に力を。
どっからか神の声が響いた。
それぞれに神の力をその神機に流しなさい。
水は火を打ち消し、火は木を燃やし尽くし、土は水を絶やします。
貴方の思うがままに。
ーつづくー