Subeatleoの自作ルーム

連載小説 静まりし二つの羽根3 第18話

  第18話 「時の息吹」
レクはディステニーアワーで突如目覚めた機械城の入り口でたちすくんでいた。
もしもこの王国が再び目覚めたら一体、未来はどのように変わっていくのか。
どこからか狂人の雄たけびが聴こえてくる。
その入り口を再びめざめさせたなら一体どうなってしまうのか。
レクに少しあそびごころが働いた。 そこに定規が転がっていた。
レクはそこにあった耳かきで定規の中心を合わせると
壁に描かれた機械経路図の紋様を分析した。
部屋の中には回線がいつくつも渦を巻き
その家主をがんじがらめにして封じ込めた形跡がある。
侵入を極度におそれた家主が決壊を張り、
自分を縛った結果のように思えてならない
この回線は飛び越えちゃいけないなにかなのか
あたりを見渡した
そこら中に回線がのび、いくつも層を描いている。
これは他の次元とつなぐ何かなのか。
レクはおもむろに定規の形跡の穴に合わせ耳かきでそれを回転させた。
定規をぐるぐるとまわし すぱっと弾き飛ばした。
定規はブーメランのように回転すると
その部屋の一部の次元の切れ目にピタッと落下した。
その瞬間その部屋の動力が伝わり、動き出した。
みるみる機械城が息吹を上げていく。
そしてそのあたりの道路を行きかう車が理路整然と同じ速度で 動き出し、
次元と次元を行きかう流れを作る行列の移行のように 推移を始めた。
なんだこれは。 レクはこれはまずいことになったと思った。



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