第3話「孤高の鉄騎士」
ザカエブリッジの前でゼラルドは悩んでいた。
もしこの燃え盛る炎の席を投じれば
立ちどころに生い茂る木々は燃え盛る
エナジーとなってしまう事だろう。
闇をほおむるには光の力は必要不可欠だ。
つまり炎の力が聖なる力に変わってさえくれれば
たちどころに闇のカーテンは翻る事になるだろうに。
ザカエブリッジの闇の力は強かった。
これを抑えこむには。
ゼラルドは思案にくれた結果、突如一つの結論にたどり着いた。
食、足りればすなわち闇は枯れる。
稲妻だ!
孤高の騎士ゼラルドはその席に稲妻を投じた。
その瞬間、枯れ果てた果てた大地に稲の種が植わった。
これが目を出すまで私はこの橋でこれを見守ろう。
しかし神は土は水を絶やすとおっしゃられた。
ゼラルドの目にみえる土は点にしか見えない。
その黄砂の流れはあたかも水を押し出している
ようには見えるが
これは本当に水を絶やしているのだろうか。
水を気に変えるのは火だ。
この啓示で神は何を我にしめされようというのか。
そして再びどこからともなく神の声が響いた。
ここは滅びの道。
その法則は汝の知るよしもない。
闇の道、黄泉へとつながるこの橋
この橋を金色に変えてやろうではないか。
神の啓示に現れた土の力。
水の力を絶やすという神の啓示。
その日のよる、ゼラルドはおむすびを一つと沢庵ひとつを口にいれ
また土を掘り起こした。
騎士団の長、総長みずからが鍬をふるいはじめたのである。
そして炎は次第に輝き増していった。
ゼラルド兵、6万がこのザカエブリッジの開発に
せいをだしているのである。
ハイドは尋ねた。
モーザリス、敵はどこまで来ていた。
はぁ、ザカエブリジッジをなにやら開発しております。
なんだと、この黄泉へとつながるあの橋をか。
はぁ。
まずは外堀をうめる気か、
ならばわれわれも彼らの進行を止める手立てを
講じなければなるまい。
モーザリスは答えた。
仮想空間を張ってはいかがかと。
万が一ゼラルド兵、
六万がこのダンスザサークルに流れ込んだとしても
仮想空間さえ万全であれば
活路は開けますかと。
だな。
どのような仮想空間にすべきか。
相反するものどうしを左右に展開し
出口を開いては。
さすれば時空は押し流され
この黄泉の起点へは彼らが辿り着くことはないでしょう。
そしてその日
モーザリスとハイドは莫大な空間と空間を夢想でリンクした。
われわれは闇。
闇は追われるもの、弱きものを救う立場でなければならぬ
という事をお忘れなく。
滅びとは立ち直りを迎えるための通過点か。
滅せぬもののあるべきか。
命を運ぶ風をつくる事もお忘れなきように。