Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根 第13話
イエムの良心
イエムは悩んでいた。
ひどい頭痛だ。
石段をのぼり世界樹と対面して魚を逃がし家に戻された。
そしてそれからそれ以来、イエムの日常は月と太陽の満ち欠けで
まわるようになった。
イエムの母さんは言った。
「まるで日雇い労働者ね」
イエムが自分の家の掃除と、冷蔵庫の野菜の仕分けを手伝っていると
母が言った。
大根はそのままかごに入れちゃだめよ、すぐ折れてしおれちゃうから。
イエムは庭を眺めるとでっかい猫がのしのしと歩いていた。
今日はサルーインの灯篭に火がつくような善行を施すような
事が起きる気がしない。
イエムは母親の手伝いを終えると古文書を紐解いた。
古文書にはこう書いてあった。
「灯篭は大風の起こりし夜、見張りを立て誓いを立つべし」
イエムは散歩にでかけた。
川の澄んだみなもに月が浮かんでいる。
わが名はサルーイン
汝の盟友が明日、汝の地に降り立つ。
真なるか為なるか
その問いの中に入れるべし。
そして汝が眠りし、ルビーの地を目指されん事を。
イエムはサルーインの声を耳で聞いた。
俺の盟友って
明日か
イエムは家に帰りベットに入った。
なかなか寝付けなかった。
初対面の人に会って何を話し、何を分かつのか。
イエムの考えがぐるぐると頭の中を回っていた。
僕は今まで悪いことをしちゃいない。
嘘をついても人をだましてもいない。
きっとその盟友もわかってくれるだろう。