Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根2 第16話
トキの羽ばたき、周紺のマイナス六乗根
静寂があたりをつつむ。暗黒流が川のせせらぎに変わっていく。 所行、無常。 最後のダンスは一瞬花開いたかと思うとぱっと消える花火のような残酷な思い出を残して去った。。 レクは目を疑った。 大きく扇を描くようにして、丘に変わっていく大地を見ながら深呼吸した。 失った者、得た者、成功と衰退、我々は時に激動の時代を歩む。 過程を継承する事の難しさと、遂行能力の高さは同レベルの評価を時に依頼者に与える事がある。 滅びへの道と復活への道。 滅びがあって復活はあるのか。 ジレンマの中で星は何を感じ、本当の自分を偽りの自分が破壊したとするなら星は何をどう捉えるというべきなのか。 無限を切る唯一の術が今、絶たれたとするなら。 君は何を感じるだろう。 鏡の描くベースの音が木霊する。 徐々にテンポを早めながら6乗で刻まれるその単騎なリズムは返ることないエスパーを認めなかったのか。うららかな日和と日光が皮肉にも差し込む。 繰り返す事に何の意味がある? 無情にも非常な歌があたりに響く。 諦めるのは未だだ。 セイと動の繰り返す導きの物語は時という課題を簡単には越えて行けるものではないのだろう。 元にある3元と足された3元。 どちらが本物というのだろうか。戦争という物語は勝者を英雄につくり上げる。 そしてこれから予想される事は分の弾頭。 絶対を計算する時だ。ベクトルの中での力は確かに右に傾いた時に左が邪魔になる。 同じ方向を向けば風は牙となる。 桃山の香りがあたりに漂う。 仮に時が静に帰すというなら、偽りの時は動に帰り、さまよいの道を行く事になる。 さまよいの森を切る磁石が失われたとするなら。 暗黒道の終わりは予期もしない脱出なのか。安んじた心に一部の後悔を得るなら君は今後、平の英雄となろう。 どこからかライトが照らされる。証明が入って壁の黄りんごの影があたかも現実のように映しだされる。そこにある真などおかまいもせずに。 影がほんのりと揺れると陽炎が青白く光り出し、それはあたかも蛍の輝きのようにあたりを照らす。 そうしたかと今度は向かい合った祭り火の喧嘩が始まる。 明石と徳の死闘がボルテージをこの物語に更に加える。 ワレワレハゼッタイヲサマタゲテハナラナイ。 こんなの絶対無理だと思った部屋の片付けを始めると母親は麦茶を差し出した。あなたのお父さんは 一人しか居ないのよ。 裏の裏は表だと、近所の子供が喧嘩を始めた。花火の爆裂音がこだますると静寂が突然辺りを包んだ。 あなたは道を歩んだだけだから平気でいなよ。 イエムが独り言のように呟いた。 レコード盤に針が落ちなきゃいいが、テレビでは高速増殖炉の是か否かを評論家が喧嘩ごしで討論している。トライがあってラグビーには点がはじめて入るものさ。 左右に拡幅を始めると白い服に収まりきれなくなった糸のかけらが踊りだし、今度は北から風が吹き下ろした。春を告げる鳥をその真は悲しみに鳴くものなのか、それとも泣くまいと鳴くのか お日様が沈むと夜になって今度はつくつくぼうしの蝉が鳴き出した。 街頭に明かりが灯りだし、人が今度は笑い始めた。唯一無二をそれを人が幻というのなら唯一は存在しないものなのか。 あれからもう四年だな。 返り咲いたタフネスビートはここまでよく走ってくれた。 その子どものイフユーアーのデビューが近づいていた。 絶対なる真とともに虚空の空に星が瞬きを始めた。 THIS STORY RETURN OF THE MOON 月はかけはじめたのか、満ち始めたのかそれがわかるなら貴方は貴方の世界に確証を生むだろう。