Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根2 第26話
弁明の音を追え
イエムは一人家の中で古文書の後を追っていた。 もしもそのマイナス感情が喪失という喜劇を作り出す手段の得意を見せるがための罠だとしたら 大きさ比べの結果の喪失とその感情のマイナス。 比べることが得意な人がもしいたとするならその挽回の好期は。 レクはすこし頭痛にさいなまれながらその根の大きさを冷静に見つめていた。 分離することが果たして自分にとって意味のある事なのか、かずよ。 4元のゆるみない流れの中でその流れの速さにふりおとされそうになりながらも レクは仮キュレーションの狂いを訂正していく。 6時10分を時計は刻んだ。 もしもAのキーが敵対者であるBにばれた場合かつサブキーのBもばれれば 扉は開くとする。 もしも喪失という傘にあてがわれたとする。 またそれが当面の危機とすると 果たしてそれを失うことが喪失を防ぐことになるのか。 自分の中にその秤を置くべきなのか。 イエムの回顧が始まる。 確かに失って新たに得るものは大きい。 だがその絆を考えた場合。 突き放すことが果たしてその心を得るという事なのだろうか。 手放したもののしっぺ返しはどの程度あるのか。 暗中に迷いだした。 もしも自分の中にその秤がなかったとするなら。 また外ばかりみる事にあきあきしていたレクも同意していた。 他山にダイヤを見出した例を探す。 そしてダイヤを本当に得た時、どう思ったか。 イエムの迷いは広がった。 このままでいよう サステナブル、とにかく持続だ。 まだ扉がひらかないなら メインキーがばれてないあるいはサブキーがばれてない。 裏を返せば メインキーかつサブキーがばれてない。 扉はひらかない。 メインキーかつサブキーがばれてないという事は メインキーがばれてないかサブキーがばれてないという事 二人置くことの意味はそこしれなく深いな。 レクはプーッとタバコを吹かした。 ーつづく