Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根2 第27話
いつわりの時差を追え
もしも新たに目覚めた4元の時差に狂いがあるとするならその計算自体にもずれが少なからず生じている 事になる。次第に太陽の沈む時刻が刻々と早くなって行く。 夏から秋への変化をひしひしとイエムは感じ始めていた。もしもなにかの霊が自分にあたっていたとする。 自分の思考回路が暗闇へ押し流されてゆくならその明と暗をわけるものはなんなのか。マスメディアなのか それとも日々の人々行為なのか。霊障を抑えるとすればどんな割が今、必要なのかその和解を導き出すには 水平線に正負の一線を引く。そしてイエムはパンに少しジャムを塗った。 いちごジャムの甘い香りが部屋に広がって、食欲が注がれる。 春に出るいちごをなまずみにして瓶詰めにした清里の名産物だ。もしもその解の答えが真逆にでるとすれば そのジャムはゆめとかすのかそれとも実を結ぶのか。 イエムはペンを止めた。そして少し考えた。もしも2つのその反省がマイナスに導かれた場合、その2つを足した ものと原点のその解はずれはしないか。もしもその手法が少しでも狂うことになれば恐ろしい事になりはしないか 額に汗が滲む。過剰反応なのかそれとも神経質になりすぎているだけなのか。 霊障を抑えるには今何をなすべきなのか。 もしも今までの行為の反省がそのマイナス効果で実を削るものだとすればこれは私の犯した反省のなかでその 大きなものだが、先に夢を導かなければならない。 先に夢と実にわけなければならないのだ。 でないと計算は大きく狂う。 三度全滅したその麦秋の痛みを感じながらイエムは立ち止まっていた。 相模湖の波紋が広まり、その香の意味が正常として機能するならその箱根の意味は大きかろう。 その生前の行為がいかに愛を充分に与えたもので正当な手順であったとしても、それを夢として守る場合 その愛する人の生を環境が戒めるものならその守護は鬼と化す。 その霊障を恐れるなら先に充分に愛を与え、成仏を促す他はないのだ。 先に器を整え、充分なこの人はもう大丈夫だからと言ってあげる事が必要なのだ。 それが寺社として第一歩だと私は思っている。 仏に手をあわすときにどういう言葉を日頃かけるのか 浄化を促すには何が必要なのか。 イエムはまだ立ち止まっていた。 もしもそれが果たして霊障だとするなら確かに愛を充分に与える事が必要である。 が、もしもそれが神だとすれば。 神と仏の境とは一体なんなのか。 もしも浄化が行われた心の結合が神だとすれば。 神は何を愛し、何を好むのか。 その線引きとは。 雨の日に充分に安全だとすればそれは試練を越すすべを磨くいい機会だろう。 ーつづく