Subeatleoの自作ルーム
静まりし2つの羽根2 第39話
孤独なランナー
イエムは思った。髭剃りって大事だなと、 逆に時に酒も大事だと思った。縮小していく心の中で どう自分を立て直し、また壁へと挑むのか。 絶望的な包囲網にであった場合、どう活路を広くのか。 まず自分の中にいる己との葛藤をせいせばならないと思った。 敗者として堕落してこのまま生きるのかそれとも復活を目指すのか。 自分の虚像を作り上げた場合その最低の自分の虚像と最高の自分の虚像ができあがって しまった場合、その二者にどう折り合いをつけていくのか。 本当に√iは√2−2√2i/2なのかその因数を分解していく中でイエムはそれを悟り始めていた。 レクのダイスは2つの目を投げかける。その裏は極性の十字に惹かれた苦労の結果なのだろうか。 雪どけのビールの味にこの世の天国を覚え、だがそれに落すれば、ますます最低の自分の虚像が広がる事になる。 この最低の自分の虚像が今の真実なのか、昼夜でころころと逆転していく自分自身に少し腹が立っていた。 今までさまざまな人とめぐり逢い、そして時を過ごした父も、母もどうやら最低の自分は嫌いなようであった。 折り合わない正解のない世界で戦うにはやはりこれは100%でないといけないというプレッシャーがあった。 そのプレッシャーのあまり自粛していたのだ。 だがその時、妙案が走った。 剣山の登場である。 剣山の山頂の峰に昇るのは確かに険しいが、登り切ったあとは案外楽なのだ。 それは重力の追い風を得られるからだ。つまり確かめ算はあまり時間を取らない。 ようは裏返しが覚えられるかどうかだったのかな〜とイエムは振り返っていた。 その事は何を不安に変えたのか。 次にぶち当たった壁は符号の変化だった。どうしてもこれによる間違いが減らない。 むしろ増えるイエムは苛立ちを覚えていた。 これを確固たるものにする方法とはなんなのか。 二次のかかわりあいのばあいその弱点は明確だったのだ。 それは一次係数と実数のプラスとマイナスの関係だ。 その世界に不定数を使う場合、その変数が2だとするとやはりそれは更に難しいものとなる。 何度も繰り返されるシュミレーションでの悲劇の中で、すこしそれの活路をつかみはじめた イエムであった。