Subeatleoの自作ルーム

 

静まりし2つの羽根2 第44話

「暗黒流に差す光」

サルーインの目覚めは果たして世界に希望を与えのか、はたまたその専制への恐怖を募らせるものだったのか。 対面したダイムの軍は伏せるか脱出路を開くかの二択に迫られていた。 ダイムの王の役目である次元修正。そのヒントとなる三次元解。 それはエノシと黄泉の王、ゼラルドにそれぞれの道を示しているかのように見えたのである。 人は己の中に三人の自分を置いた場合。ある一定の事柄、事象の中に三つ解釈を生むものではないだろうか。 その解答が一方でYES片方でNO、そして時を得てYESになる。 つまり原点回帰がそこではやはり重要な指標になるのではないだろうか。 その時という原点を置く事によってその解釈の尺度を得るのであろう。 そのザカエブリッジが今、サルーインの目覚めによって覚醒した。 まわり始めた回転橋はその出口と入り口を時間によって見え隠れさせた。 次の花園への入り口は。 レクは車を走らせザカエブリッジを目指す。 たとえそこにいるのがダイム王でなくサルーインであってもどうでも良いと思っていた。 問題はそのブリッジが芯で時をつかむものかどうかである。 10月度は思ったほど気温が高く、そこは南国を思わせた。 庭園に続く梨の木から一つ果実が転がり落ちた。 ずっと車を走らせていると夕闇が少し近づいた。 レクはそこで少し車を止めるとその川沿いに続く土手を眺めた。そこには向こう岸が見えないほどの 太い川がゆうゆうと流れていた。 時を摑むということはどこかこの川の流れ自体を自分の中に摑む事に似ている。 時代が流れどのように次の流れからその四次元が生まれそしてまたその三次元に回帰していくのか はたまたその高次への流れが引き続きつづいていくのか。 もしもその川の流れ、時を自分の体内に染み込ませる事ができなら それは機械じかけの古時計を内蔵した機械の動きのようになってしまうのか。 レクは考えていた。 そのアポトーシス効果のなかで弾かれない体内時計とは。 イエムは蛇口から水をひねり出した。 水道から水が勢い良く流れコップに注がれた。 コップの水を飲むとイエムは少しため息をついた。 そしてその飲み込んだ水が胃の中にすっとながれて少し体が冷えたように感じた。 夕闇が次第に夜に変わって、街頭が灯りだした。 灯された明かりが点々と続いている。 もしも遠くの明かりが今の明かりであまりみえなかったが、確かに先を続いているように見えた。 やがてそのルートを追い出し始めると、レクは少し車を急がせた。 サルーインはその世界を今、20界に進化させ、その四季を彩ろうとしていた。 ダイスが回転して次の界を示すと。 レクはりんご畑の隣を抜けた。 そしてその横はどこかの街の景色のようであった。 黄泉の王によって黄泉への疎通を奪われたザカエブリッジはその影を濃くすることはなかった。 そしてザカエブリッジの封印はやはり黄泉の王抜きにしては開くことはないのだろうか。 ザカエブリッジは夜の夕闇の中、徐々に霧に包まれていった。  

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