Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根 第21話
レクの帰還
ダイスは雪柳、そして勾配は4,5度。
レクは消えて行ってしまったシモンの後姿を追っていた。
シモンが残した鼓動に偽りはなかった。
部屋に戻ると手紙が一通届いていた。
それはシモンがしたためたものだった。
わたしは以前のシモンマリナではなかったこと。
今ではカントリーと呼ばれている事がしたためられていた。
そして最後に貴方に紹介したい人が居るから三軒隣の
ビルの小道具やを訪ねるようにとしたためられていた。
僕の行動が今の手紙を起こしたのか、それともマリナは最初から
こうなる事がわかっていたのか。
部屋にはコーヒー豆の香りが漂っていた。
レクは少しためらったが、三軒隣りのビルを訪ねる事にした。
日没まで時間はあとわずかしかない。
レクの力では地球の回転運動は静められえない。
骨董屋を訪ねると一人の若い女性が店の番をしていた。
あとでわかったことが、彼女の名前はエディーベビーマクアイヤーという
短大生だった。
あなたにはこれが合うわ。
レクが来るのがあらかじめわかっていて待っていたといわんばかりに
スカルの首飾りをレクの首にかけた。
どう鏡みてみて?
とっても似合うわ~。
あいにくこの貝殻のくびかざりを買う金は俺にはない。
そうなんだとっても安いわよ。
フォーマルは抜きにしてね。
そうだった。
彼女の声が突然かわったかのように感じた。
ラップでいわないんじゃわかんないわよ。
今何周目?
ちょうど五周目だ、地平線が近い。
じゃダイス投げてよ。
斜め半じゃないわ。
ここじゃ狂いは通じないわよ。
狂いが通じない?
じゃ俺はスパイダー
君は何人目かあてる。
わぁ~すごい軽いこの人。
ビギナーズラックを期待して!
私はいつもの皐月にお願いね。
ディスコサウンドがなっている。
彼女が首を縦に動かした。
ねぇ踊ろ。
俺は踊れない。
じゃあんたとはダイスできない。
俺のダイスは君の為に転がりたいっていって言ってる。
じゃ~さぁ
この首飾りを買ってくれたら。
あんたとダイスする。
レクは勢いに負けて首飾りを買った。
じゃ家に帰ったらチョコを食べて
勤行をして。
俺は勤行?
なぜチョコ?
ちょこっとだから。
いいね。
寒くなってきた帰ろう。
そうねまた明日。