Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根 第22話
イエムの毎日
イエムは今、サルーインの呪縛を解く修行にあけくれている。
赤い宝石の原石が輝きを増している。
たびたちし鳥の足跡を刻むものよ、迷いを捨てよ。
光陰矢のごとし。
波のみちかけがイエムを包む。
太鼓の深しサルーインの封印は果たして解けるのだろうか。
22の乗り人よ。
我が名はサルーイン。
過去を捨て、前に踏み出さん事を切に願う。
イエムは石碑を見をよじりながら回廊を昇っていく。
ある停止の嵐。
赤きダイヤが身を焦がし、その絵に呼吸を深くすべし。
その赤きダイヤがいわんとするところ波坊の高さの如し。
我が治水、めざめんとすれば
自ずと湧水わき森林をめざめさせ。
鳥のさえずるところとなる。
22の乗りびとよおそるる事なかれ。
前にゆかれたし。
ただひたすら前へ。
イエムの額に汗がにじむ。
そろそろご飯だ帰らなきゃ。
家にたどりつくと
イエムの母親がクリームシチューを作っていた。
具が入った事だし。
良かったわねイエム。
イエムはなぜかそこが仮想現実ぽい空間のような
気がしていた。
史実とは真実よりも隠されんことを望むものだろうか。