Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根 第23話
ダイスの水中花
レクは静かにエディーに話しかけた。
もし俺の投げるダイスが君のその首飾りの通り目になっていたとしたら君はどうする?
エディーは少し頭をかかえて笑った。
敷地斜め半だっけ?
今、私の友達から手紙が来たわ、ギャンブラーをよろしくって。
レクはダイスを投げた。
ダイスは床の上を楽しそうに転がると皐月と雪柳でぴたりと静止した。
私のくびかざりのおかげね。
あなたバスケやったことある?
昔ちょっとやった、学校で。
ストリートでの体験は
ないよ。
バスケにはゾーンディフェンスってのがあるわ。
ゾーンで組織的に動いたら。
ドリブルでそこを抜けるのはほぼ不可能だわ。
ゾーンか。
バスケか。
でもミラクルパスみたいなのがあるのだろ?
そんなのあったかしら。
今、ココアを煎れるわ。
ココアの入った間をスプーンでエディーは3回叩いた。
しっかりした弾力のある音が部屋に響き渡った。
レクは言った。
打楽器みたいだ。
打楽器ね、太鼓とか?
そうタンバリンかな?
あら、タンバリンみたいな音した?
いやしない。
レクはなんだか楽しくなった。
その時、天井にいきり破裂音が響き渡った。
ココアが入った音ね。
あの轟音が?
轟音ってなに?
トドロク音。
トドロク?
ふるえるように響き渡るってことだよ。
あなた旅をしてるようだけどどこをめざしてるの?
レクは迷いながら言った。
自由。
自由?
ただそれだけ?
他に何か?
なんか責任ない人みたい。
レクは遊びつかれたような目で言った。
自由を背負う責任はある。
桜の樹みたことある?
あるよ。
ほんとに?
ないと思った?
魚は泳いでた?
わからないなんのことか。
レクは言った。
僕は今自由かもしれない。
静かに夜が吹けていき。
エディーは蓄音機の針をレコード盤の上に置いた。
レコードがゆっくり周りだし。
サックスの音が部屋になりだした。
レクは言った。
もう帰らないと。
ああそうね。
失礼な人かな私って。
レクは黙って部屋をでるとなんでもう出ないといけないと思ったのか
そこをさらなければと思ったのか考えたが
答えはでなかった。
部屋に戻るとレクの部屋の水槽のなかの水中花がいつもよりも
輝きをましていた。