第10話 浮遊大陸DUO
イエムは石段を昇り終えたと思った瞬間、
自分の足元がふわふわと舞があっている事に気づいた。
これはと思って下を見ると、大地が雲の間に浮き出ている。
空に舞あがっている。
しまったと思ったがあとの祭りである。
イエムはぐんぐん上昇していく木立にしがみついた。
上昇はやむことはない、このままでは空気も水も
抜けてしまうのかと思ったがあたりの風景はそのままだ。
ただ、足元より下が空になり、やがて宇宙となった。
その下に真空が広がっている。
僕は帰れなくなるのかと思ったが
他になんとか方法があるに違いないと思いそのまま石段を登る事にした。
やがて石段の中腹のところからずっと遠くまで道が広がり
その向こうにまばらに人家がある。
とりあえず生活するにはこまらなそうな場所ではあるが。
小鳥の歌が聴こえている。
なんとものどかな風景だ。
そして小川のみずのせせらぎ
空気がすごく澄んでいる。
DUO本体を目指さないと
山王の力を足す前にDUOは浮遊大陸となったのである。
その頃、レクはいよいよ、ザカエブリッジに雪崩込んだ。
不意をつかれたゼラルド軍は間を突撃により割られてしまった。
そして撤退をよぎなくされた。
黄泉の軍勢はあっという間にその中枢を支配した。
ミラスの暗黒の銃が乱射され、そこに鮮やかな閃光がきらめく。
早朝、6:20 落城。
時というのは実におかしなものだ。
その空間は四角の立体ダイスのように転がった。
そしてミラスの傭兵の見事さは実はこの戦術シュミレーションに裏付けされたものなのだ。
人は二手、三手までは読めるものだな。
5:5角なりとがんと杖を地面に叩きづけた。
その瞬間その間の奥では大地がさけ水が吹きあがり
あっという間に水車がなにごともなく動き出した。
そしてそのミラスの繰り出す弦のしらべがまるで
それが指揮されたものであるように
黄泉の色を深めて行った。