第11話「イェムのブロードウェー」
静まりし2つの羽根 第11話 イエムのブロードウェー
突如浮遊大陸と和ったDUOの世界に降り立ったイエムはしばらく歩くと古い長谷寺に
たどりついた。
そこで悲しいそうに老人がうつ向いている。
イエムはそっと老人の話を聞いた。
老人は長年、息子の帰りを待ちわびながら、重労働をする息子を救いたいと願い
その自動水車小屋で粉引きの仕事を完成させたが、息子が一向に戻らないと言うのだ。
静かに粉引きの水車は回り続ける。
そこの隣でばあさんがよたよたとあるきながら栗の実を一生懸命に拾っている。
息子は栗ご飯が大好きだったというのだ。
爺さんは言った、これもなんかの縁じゃ、栗ご飯をたんと召し上がってゆきなされと
一晩そこで夜を明かすとイエムは街を目指した。
しばらくあるいて橋を渡ると、大きな舞台小屋から声がする。
猛獣使いの親方が嘆いていた。
日の輪くぐりのライオンが逃げ出してしまったというのだ。
一座は劇のお目当てのそれに逃げ出され大弱りのようだったのだ。
お前、なんか大道芸はできね?か。
イエムは考えたが他に仕事もなさそうだったので
ハサミなら少し使えると言った。
ちょっとやってみてくね?か。
イエムはしばらくすると線と線をなぞりながら紙を引き、宇宙船を二体作り上げた。
こりゃいいじゃね?か
明日から出てもらうぜ。
大丈夫だ、おめえさんのていみりゃ、食い倒れだってのがわかる。
心配すんな出てくれりゃ、飯の心配はすんな。
親方は息巻いた。
そしてなんだかんだとダンサーの熱狂的な踊りや、シュールなギター弾きの語り、
商売人の口説き向上が飛び交うのにイエムはそほど時間がかからなかった。
さあ今日はなんだ。
イエムの赤いハサミに熱が入る。
今日は猫の三連星にございます。
あっという間にイエムはそこのダンサーや商売人たちに顔が聞くようになっていた。
そしてふと空を見上げると12月の夜空
オリオン座とカシオペア座とコグマ座の冬の大三角形が広がる。
星がかがやく夜の街の中でだがしかしイエムは一人だった。
元来真面目な性格と、口下手なところが人との交流を恐れるイエムの原因だったのだ。
お前を必ず大スターにしてやる
親方は念を押すように
星の回廊を指さした。
明日からここでお前のステージを作りな。
イエムの妄想は広がった。
明け方夜が明けるの同時に元気な太陽のステージがはじまり
太陽が疲れた頃に
今度は流星が飛び出す。
イエムのブロードウェーのタイムスケジュールの小回りはたちまちにいっぱいに
埋まっていった。