Subeatleoの自作ルーム

世界循環? 再びの再び  ゼラルドの軍勢、6万はザカエブリッジの中枢を占拠した。
ゼラルドに宿った7星の力が北斗の戦神を呼び起こすには充分だったのだ。
その双眸にはひるがえる事のない北の風と血の脅しに負けぬ心が宿っていたのだ。
イエムは湖のほとりで薪をくべた。
冬の盛りのこの季節、カシオペアの星星の横を流星が一つ流れていった。
思えばルナの眠りを起こしたのはこの湖畔のヒュウ玄である。
もともとそのモデルに世界などなかったのかもしれない。
足しにたされた味噌汁の具が氷温冷蔵で一気に冷凍されるように
イエムの体は萎縮していた。
吐く息が白い。
突如、青白い光のカーテンが徐々に北から降りてきた。
あら、また貴方ね。
ルナの声が響いた。
イエムは正直に今の迷う心境をうちあけた。
力のなぞもその後に舞い降りた犠牲たちの事も。
真っ直ぐに進んできたイエムに後悔などあるはずもないと
思っていたルナには意外だった。
てんびん座の構造の事を話したの?
問題はそれなんだ。
3?2桂馬って手ね
ルナは鼻で笑った。
私たちの成すところは必然の裏、つまり偶然
偶然の裏は必然ではないはずよ。
時の流れが正方向に流れてなかったって本気で思ってるの?
私達はその種つまり環境がヒュージされた時に
その事象の根本となる因子を遡る事によって弁解と
その弁をなしただけなのよ。
つまりその伝わる情報源とその仮想化が昔に流れただけで
実態はそれに屈する事はなかったはずよ。
ならばやはり
レクは思った。
タイムマシーンなんてできはしない。
イエムは思った諦めるのはまだ早い
情報ビジョン、映像、立体模型、疑似世界が現実に近づけば
そう限りなく近づけば
やがてはその保存された情報たちを遡る事で現実世界は
過去にワープする事が可能になるかも。
その時ある意志の力が働いた。
私はいつも正しいの。
つまり時は常に正方向に流れそれは返る事はない。
冷凍保存された肉が腐食しないのはその寒さのあまり
細胞活動の膨張を産まないためであり
時が止まったり、逆流したりしているものではないのだ。
レクは思っただが、過去の情報は粛正が可能だ。
ならばおれはそれをタイムワープと呼んでやる。
イエムは言った。
古文書を呼んだ時、ちょっと未来が見える気がしたあれは
ここに南斗の5星が備わる事の予兆だったのか。
情報インフラ自体を過去に戻すことで
蘇りを得られるのは人ではなく
コンピューターや機械たちよ。
いやそうとばかりは言い切れられ入れん。
レクはにやりと笑った。
振られたダイスは再び蜘蛛。
16番目のキー
それは歴史だ。

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