Subeatleoの自作ルーム

 
静まりし2つの羽根5
  第 11 話
パラレルシフト
黄泉の暗躍の影が踊る、生けるものの道、死せるものの道。
レクはルナの森の標をたよりに歩みを進めていた。
淡い青いひかりが上がったかと思うとそれは黄に溶けていく。
ベルヌーイによる電子の移動経路は、浮世の気に断ち切られる
ことがあるのか。
さまざまな流線形を描きながら誘電の神秘をこの森はレクの頭
に刻み込み、裏ではキツネ目の女が、あたかもそれは自分の世界
になったかのような確信と我を女に与えてゆく。
レクはそういえば、イエムが電気の事を狐火と言っていた事を思い
出した。
その散布経路をたどるにしろ、この森のきままさといったら
、あらゆる因果が全て魂と結び付いてくるなと思えてならなかった。
アンペールの電磁力の測定が定理にもとずくものだとすることが
嘘に思えてくる。
かといって電池は長持ちすることに超した事はない。
羅針盤をみながら気ままに回転する針を見ながらレクはそう
思った。ルナの森の夕焼けは幻想的な美しさをレクの脳裏にきざみこみ
メモリー統制世界に一石を投じる。赤いグミに似たケシが怪しく誘う。
発散放射の方向が、すべて幻覚作用による脳の思考に由来するものだと
したら。
考えごとをしていると、すべてロール社会への反発かな。
イエムはバナナ臭くなった自分の口にイシューを
感じていた。
少し先の方に人家の白い灯りが見え始め、レクは日が暮れるまでに
森を越せたと安堵した。
多数とは逆に風が強まるこの森はその時に強いる獲たものの
代償を感じさせはしなかった。
     ーーつづくーー

HOMEへ


第12話