Subeatleoの自作ルーム
第 11 話
パラレルシフト
黄泉の暗躍の影が踊る、生けるものの道、死せるものの道。
レクはルナの森の標をたよりに歩みを進めていた。
淡い青いひかりが上がったかと思うとそれは黄に溶けていく。
ベルヌーイによる電子の移動経路は、浮世の気に断ち切られる
ことがあるのか。
さまざまな流線形を描きながら誘電の神秘をこの森はレクの頭
に刻み込み、裏ではキツネ目の女が、あたかもそれは自分の世界
になったかのような確信と我を女に与えてゆく。
レクはそういえば、イエムが電気の事を狐火と言っていた事を思い
出した。
その散布経路をたどるにしろ、この森のきままさといったら
、あらゆる因果が全て魂と結び付いてくるなと思えてならなかった。
アンペールの電磁力の測定が定理にもとずくものだとすることが
嘘に思えてくる。
かといって電池は長持ちすることに超した事はない。
羅針盤をみながら気ままに回転する針を見ながらレクはそう
思った。ルナの森の夕焼けは幻想的な美しさをレクの脳裏にきざみこみ
メモリー統制世界に一石を投じる。赤いグミに似たケシが怪しく誘う。
発散放射の方向が、すべて幻覚作用による脳の思考に由来するものだと
したら。
考えごとをしていると、すべてロール社会への反発かな。
イエムはバナナ臭くなった自分の口にイシューを
感じていた。
少し先の方に人家の白い灯りが見え始め、レクは日が暮れるまでに
森を越せたと安堵した。
多数とは逆に風が強まるこの森はその時に強いる獲たものの
代償を感じさせはしなかった。
ーーつづくーー