Subeatleoの自作ルーム
静まりし二つの羽根 第6話
「砂漠の町、フィリアファウスト」
レクはいつまで続くのかわからない休日を過ごしていた。
ぼんやり百科事典を緑のペンでなぞりながら史跡を追っていた。
砂漠か、一回、行ってみるか。
レクは旅たち、しばらくして砂漠にたどりつく。
一面に広がる砂漠。
砂嵐がレクの顔を殴りつける。
「すごい、風だな」
道も、あやふやなまま、人のゆくままに歩いていると
町に辿り着いた。
一人の20前後であろう女性がレクに話しかけた。
「あんた賭け士ね。」
レクは言った。
「ああ。」
女はこっちに私の行きつけの店があるから少し話を聞いてくれない?
レクは不信に思いながらも女の後を追った。
一見、何の変りもないバーだ。
カウンターではマスターがグラスを磨いている。
女は
「いつものを二つ頼むわ」
レクは言った。
「それで話ってなんだい。」
女は
「私たち、は古くから絶対神、唯の神の恩恵に与ってきたの。」
「この町は5000年近い古い歴史があるわ。」
レクは言ったそれで
女は言った。
「あなたは、ゼラルドの信仰のあつい土地の人よね。」
レクは信仰などというものを今まで気にした事がなかった。
女は言った。
「あなたの町の馬が今度、この唯の町のグランプリに出走するの」
女は言った。
レクは話の続きを促した。
女は言った。
「しかし、この町では賭け事は一切、禁止されているわ。」
レクはだいたい要件をつかんだ。
なるほど、そのレースで賭けをしないかってことか。
女は言った。
「もしも、私の町の馬が勝ったら、この町の唯の神のお守りを信じていただけないかしら」
レクはたやすい、要件だと思った。
「レースに勝とうが負けようがお守りを身に着けるくらいおやすい御用だ。」
女は言った。
「あら、話が早いわね、しかしお守りを身に着けるのは神に選ばれた者でなくてはならないの。」
レクは言った。
「神の信託か。」
女は言った。
「私、サンディーって言うの。貴方の名前は?」
すこし柔らかな風が吹き抜けた。
レクは以前からこの女の事を知っていた気がする。
そしして次の
宿屋で一泊を終えたレクは再びサンディーと出会った。
「朝、早いのね。」
レクは旅の疲れの為か時間がよくわからなかった。
サンディー
「今日は精霊祭なの。貴方を私の寺院に案内するわ。」
原子の寺院 コウショサル
寺院は石造りの柱が何本も並びそうだいな風貌だった。
サンディーとレクがその中をゆっくりと歩いていく。
裕に20畳はあるだろう大広間に出た。
私たちは毎日ここで太陽の昇る方角に向かってお祈りするわ。
ここでは仏像や祭壇などというものがなくその土地の
唯の信仰が自然、目にみえない神を崇めている事がわかった。
レクは思った。
俺ももう一つ偶像崇拝は以前から信じられなかったな。
サンディーとレクは足を正座にし、床にすわった。
サンディーは水で身を清めると大きく体を平らに太陽に向かい地に伏せた。
「貴方も神の啓示をうけて。」
レクはサンディーの真似をして床に伏せると。
窓から漏れる太陽の光が一段と輝きをました、そして静かにレクの頭に声がひびきわたった。
「我が、友をお守り頂きありがとう、汝に信託をたくさん。」
きづけばそれはサンディーが横ではなしていたのだが、本人はまったく記憶がないようだ。
レクはその晩、宿で眠るとこんな夢をみた。
「唯の神が現れ、サルーインという志士がよみがえり、枯れ果てた田畑は金色に満たされた、町ではそれは、それは賑やかな祭りが行われた。」
その事をサンディーに言うと。
「貴方、神の啓示をうけたのね、良かったわ」
レクは緑のペンを取り出すと三次関数の簡単な式が頭にうかんだ。
X^3=1 (X^2+x+1)(x-1)=0
それを書き出し、放物線と一次方程式のクロスを描く。
今度は逆さまにして同じクロスと三次元曲線を描いて書き出す。
それをハサミで切り取ると大きな目の二つの宇宙船の模型が出来上がった。
サンディーは言った。
これ、すごいわね。
「世界樹のもとへ」