Subeatleoの自作ルーム
連載小説 静まりし二つの羽根 第9話
3つの道と門松
イエムは気づくと家のベットに居た。
おおげさにいうとなんだか桜時計の森を抜けた時、歯のかけたばあさんがいてそれでイエムはいろいろと
メモに書き綴っていた。
イエムの母が言った。
「最近のアーケードもやる人が少なくなったわねぇ?」
イエムの父が言った。
思春期って脳波が乱れやすいからな。
ああいうのは毒なんだ。
学校の教授いわく脳波の乱れは相対性にもとづき、過去から未来へ向かう一地点を目指す
もののみに起こるもので一般人には起こらないらしい。
イエムの父が言った、いっちょもんでやるか。
二人は野球ゲームを始めた。
イエムの母が言った、そうね一人でアーケードも寂しいわね。
イエムちょっとそれが終わったらお使いに出てくれない?
イエムはごぼうと鶏肉を買いに行った。
通りの向かいの肉屋がイエムに言った。
あんな母のいうことをきくこたぁない、牛肉にしときな、今日はそっちの方が安いぜ。
イエムの靴底がごぎゅごぎゅっと鳴った。
そろそろ靴かえなきゃ。
形而上学でいうところの物体の運動は永遠らしい。
イエムは迷ったが鶏肉でいいよおじちゃんと言った。
そうか坊主はいい子だな。
サービスで牛肉をちょっと入れといてやるといい。
牛肉をサービスしてくれた。
向かいのスーパーにごぼうを買い行くと門松の品出しをしている。
この時期にしては随分と早い。
早めの門松の陳列が始まっている。
幾何学でいうところの支点と作用点と力点、その三つをつかむ事によって絵がかけるように
なるそうだ。
イエムは絵は好きだが、画法などというものは当然しるよしもなく、落書き程度だった。
ゴボウを一本買った。
母親が言った。
とりごもくでもぎゅうごもくでもどっちでもいいけど、まぜ五目って聴いたことがないわ。
イエムはかぱかぱになってしまった古い靴を新しい靴に取り替えた。
かっこーかっこーっと置き時計がなって
夜の六時を告げていた。
その頃、サルーインの眠る、ルビーの回廊。
走馬灯の明かりが5つともっている。
不思議な象形文字が描かれた石碑がある。
「REDSKSPACENOUSE」
太鼓のまもりをなすDUOの二つの回廊につづく扉が開かれた。
イエムは言った。
「3次元って三通りの道があるから三次元なの?」
父は言った。
「水平だけしりゃあとはなんとかなるよ。」
イエムの母は言った。
「歯をちゃんと磨いて寝るのよイエム、あんたの歯、まっききよ」
イエム、もともと世界なんてもんはな
いろんな人がいるんだ。
お前の考えるような簡単な構造じゃないぞ。