Subeatleoの自作ルーム

 
静まりし2つの羽根5
第4話
   第四話 裏世界と表世界のその夢の相対
レクはサファイアモンドの街の港付近の船着き場、ゼクラレルで宿をとっていた。
銀河系の羅針盤が夕闇と同時にその9月のこぐま座の尻尾が徐々に地平線から顔を出す時刻に
合わさっているのに気づいた。
ラベル銀河の小宇宙にしまいこまれた惑星たちがその大きさを実感できるのにはほど
遠い。
ニルバーナ、涅槃という思考がもしも正しいなら、そのラベル銀河の中で作られる宇宙が
その睡眠中にみる夢に思えてならない。
夢の中で何かを失う夢をみると、その代わりに大乗化された大きなその上の次元での事象は
復活するのかを考えていた。
イエムの水槽で買っていたコメットが三匹いなくなるのと同時に
その涅槃の夢の小宇宙では銀河系規模のアンドロメダ銀河のような銀河が三つできるような
気がしてきた。
太陽からほぼ遠い冥王星までの惑星経路が何か、その箱三つとなってレクの元に戻ったような
気がしていた。
イエムは感じていた。
なにもないという事とあるという事
コメットが消えた銀河となって、復活し、その箱、三つとなってレクの元に存在する。
ラベルコンポーネント、コメットの銀河三枚。
そのときにラベルからコンポーネント、そしてフレーム、パネル仮想銀河を作り上げてきた
人々の思想が今日もそのレクの箱にそのまま生きている。
夢なのか現実なのか
似發涅槃で失うものの代償はかたや向こうの蘇り。
イエムは目が覚めると、いつもと変わらぬ自分の部屋に居た。
大乗と小乗
自分を包む、世界、殻を脱皮する旅が大乗ならその殻を作りもぐって行く事が涅槃なのかも
しれない。
イエムの失ったコメット達が、ダンスの渦中のカオス銀河へ今誘おうとしていた。
大きく西の空へ浮かぶ、月が青白くそしていつもよりも間近に大きく輝いていた。

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