Subeatleoの自作ルーム

 
静ずまりし2つの羽根 5
  第5話   ラベルコンポーネントから浮き出す世界樹
  大きく動き出した逆さ次元城が伸縮と拡大をくりかえし、かぎりないエネルギーの波動を
  生みながら、ザカエブリッジの正面にいよいよリンクゲートを貼った。
  その時間軸のダイム変化が鑑賞領域帯を包み込み
  オペレーションに対する圧力がいよいよザカエブリッジと均衡し始めた。
  突如振り始めた雨が、強い音で地面をうち、まるでアフリカのスコールを思わせた。
  7月のはじめに夜に開かれた西口に飛び込んだイエムは過去と今の時限修復には成功したものの
  3権が乱立するなにか、不協和音を感じ始めていた。
  このぎこちないダンスへのいざないが、イエムを自然と動かし、そして新たなカオス世界の到来を
  予兆する。
  八分率でひくならばこの世界は400平米の平行世界。教会しっちでみればその亀石から亀石までの
  長いものでは距離は6000KM。
  コンポーネント銀河を作り出した、三人がほくそ笑む。
  あらたな銀河が星が夜空に上がり、南十字星を描き出す世界がその南。
  その対面の裏では北にこぐま座のポラリスが赤く輝く、そして網の中にほんのりと
  タワーの名残を感じさせ、そのなかに幻影となって高層ビル街が浮かぶ。
  その失われたコメットの慰霊が生み出した世界なのかは不明である。
  イエムはいつのまにか涅槃後の世界に飛び込んでしまったのを感じていた。
  どこかぎこちないバイオリンが遠くから聞こえる。
  夏の日の夜に光るアルゴリズムが生み出され、八分休符−2のリズムで周期をはやめながら進んでいる。
  イエムはどこかゆとりなのか、最近、電気実験に興味を持ち始めていた。
  真空管ではじめて電気を発見した人の法則はいまでも不滅なのだろうか
  イエムはそのことで何か感じる理不尽さに憤りながら気晴らしに外に出ると、金魚鉢の中で飼っていた
  マリモ8匹の水が干し上がっているのに気づいた。
  地球が水を得たのはビッグバンのあとどれくらいだったのだろうか。
  なにかいつもと変わっているようで変わりのない世界。
  それが涅槃後の世界なのか、そのままなのか。
  似発涅槃とは自分の生み出した人生の通過点上の愛着のある人やモノの世界に、親和し、その内部に
  描かえる世界の中に入り込んでしまう事。
  まるでメモリー型の世界のように通過点を発記してる人には感じるに違いない。
  それを生み出す過程の印をつけておけばそれを頼りにその場所に出れるという事ではないだろうか。
  記心服涅槃のその先の世界はなにかラベルコンポーネント上の星の流れがかこの世界の星の流れに
  戻った世界だった。
  そこはペガサス座もかける事なく、大きな北斗七星が出る世界だった。
  しかし、イエムは自分の部屋の中のオブジェが出す、星が南十字星だという事にいわく感を感じてい
  た。
  なにか一度あったようでないようなある事がつづくな。
  イエムはおぼろげな記憶を辿る。
  そうだこのオブジェクトには寺がいる。
  イエムは思い立ったようにミニチュアスケールの寺を作り始めた。
  この寺ができたら、逸手見路寺と名付けよう
 

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