静まりし二つの羽根5
第15話 白い玄師の言い訳
伸縮を繰り返す逆さ次元城のその一瞬の伸びからの縮小の合間を縫って
ゲリラ戦を繰り広げていた黄泉の軍勢はその合間の隙間を妖幻夢を駆使した立体フォログラフ
を使い、巧みに建造物を模写し入り込んでいく。
昨日まではなかった見たことない古い建物や館が次々と浮かび上がる。
ゲリラ戦を繰り返すたびに疲労してきた、ジェラルドの軍勢は足取りも重く、撤退を繰り返す。
そのうちにザカエブリッジ周辺は戦火の炎に包まれ、次第に黄泉の軍勢に制御される事に
なりつつあった。
その頃、レクは八分率の頭の半できられた通行手形を眺めていた。
ダイムの城のミストラルブリッジの修復。
そのミストラルブリッジがない事により、ダイムの次元管理は困難を極め
、やがてそのところどころで
二分された標準線、二種類の標準時間で南北が動きはじめ
ルナの森はその生気をじょじょに闇の次元のその隙間に吸い込まれ
、
森の木々はつぎつぎと
枯れた木立となっていきはじめていた。
このまま、ルナの生気流失が続けば
、ルナは枯れ果てそしてその照らすもののない暗黒になり
かねない。
いち早い修復をお願いします。
レクの元に優しいルナの声が響く。
レクはおもむろにダイスを振ると、その目は逆さ弓に雷。
レクは少し思案にくれる。
このまま、剣の世界に戻るべきか、、、。
すこしの時を経ると黄泉の軍勢がルナの森に近づき始めているの感じる。
徐々に世界は黄泉の勢力一色になりかねない。
フォログラフでできた世界は奥深く
、その走馬灯の中に、ビル群が立ち並び、ふと耳を澄ますと
船の汽笛が聴こえる、緑色のランプが綺麗に光り
、その港町は奥の深くまで繋がっていく。
その横ではモノレールのような
物体傾き測定器ジャイロスコープの入ったプラットフォームに列車
が停まり、銀河へ向かう軌跡を描くかのようにそのフォームを後にしてゆく。
突如レクの前に緑の光が点滅を繰り返し、広がる。
レクはおもむろに旅の支度をすると、
温めたカレーをそのままにし、緑の光の中に飛びこんで行っ
た。
すると、光から繋がるトンネルは白と赤の光を放ちながらぐいぐいと
球体が遠くに流れていき、
それを走りぬけるととある人家の一部屋にでた。
これがダイムの城、ミストレルのかけたあとの剣の世界か。
するとその人家に家の模型が立ち並んでいる。
その一つが怪しく光り、通行手形の半分の頭の半が点滅し、チェックを求めている。
手に持っていた通行札を合わせると
、そのドアが轟音とともに鳴り響き、錠が落ちた。
レクはそこからそのドアをくぐると外へでた。
その頃イエムはセブン
、七光りの目の開かれる事のなかった世界でもう一人の自分、弟会った事
を思い出していた。
この目の光る事のなかった世界でサーバー修復をイエムは繰り返し
、徐々にその層を昇りつめ
やがてそのプレートフレームの構成図が銀河のコメット三体で
構成されている事を知った。
イエムの使っていた、北斗の箱の時空回路が道を開き
、その存在するはずのないもう一つの
パラレル銀河への恒星絵巻を予兆させる。
涅槃というものを考える時、その真の実は
、その愛着のある物のなかに吸い込まれてしまう事。
その中でその歴史の足取りを記載していく事により
その地点その場所に意図的に戻れる事が
できるという。
それを考えるとき、その予測されるコスモバラの宇宙はその外を予期できない。
今が涅槃の時とイエムは考え始める。
神経を集中させながら古い、教の本をめくっていくうちに夜が明ける。
その意図する物は、不思議はすべての必然だという事だろう。
コスモバラの脈動する宇宙は広く、わし座のアルタイルに似た星の輝きが徐々に大きく
なり始めていた。
ーーつづくーー